くらしき文化サポーター

中四国有数の拠点都市に成長した倉敷市。 観光地で有名なだけでなく、長い歴史と多くの文化遺産を有するまちなのです。少しずつ、このまちの文化を紹介していきたいと思います。

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 新たに確認された芥川龍之介の原稿。
② 「邪宗門」の原稿 22枚
の話です。

 「邪宗門」は、芥川の未完の大作です。
 今回、倉敷市で確認された原稿は、連載1回目~4回目の冒頭までです。
 これまでに、全国で確認されている邪宗門の原稿は8回目の数枚だけ。
 ですから、枚数だけでもすばらしい発見なのですが。

 特筆すべきは、3回目以降の原稿が、掲載されたものとは大きく異なっていること。
 主人公のキャラクター設定や背景が、現在知られているものと全く表現が異なっているのです。

 「邪宗門」は、平安時代の風雅な若殿と、不思議な法師と、姫君との三角関係の物語です。(ちょっと、省略しすぎかな?)

 今回の原稿では、そのうちの若殿のキャラクター設定と、若殿と父である大殿との不和の背景が注目されています。

 芥川全集掲載では、若殿と父の大殿とは、見た目も性格も正反対とされています。
 しかし、今回発見された原稿では、勇往果敢の御気象の点でだけは「誠に若殿位、大殿様に生写の方はいらつしやいますまい」とあり、そのことが「邪魔になつて」かえって二人の仲が悪くなることがあった、としています。

 この原稿は、発見の経緯からも、泣菫のもとに送られ新聞連載紙上に発表されるギリギリの段階で、現在の文章に差し替えたものと考えられます。
 したがって、この原稿は「草稿(=下書き)」ではなく、場合によっては「邪宗門」を新たな展開に導く可能性のあった「別稿」であるとみなすのが妥当 (片山教授・談) でしょう。

 では、なぜこのような事がおこったのでしょうか。
 次回は、若干の推測を交えながら、この話をしていきましょう。
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テーマ:歴史上の人物 - ジャンル:学問・文化・芸術
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